自然の風土に鍛えられて、
太く高く生長する樹木。 その樹木相手の林業経営は、 世の中の需要供給の動きとは まったく別に50年という年月が一単位。 50年後を見据えながらの 努力が続く。 今、国産材利用の追い風を受けて、 南信州、遠山杉の製材工場を訪問。 小澤社長のお話。 「杉材は乾燥が難しく、10年前は、 まったく相手にされなかった。 しかし、目の前の大量の杉、品質の良い遠山杉を生かす方法を探っていた。 そこに、北海道での乾燥技術の進展を聞き、さっそく調査、研究、導入。 爾来10年に渡って乾燥方法や温度管理などの試行錯誤により、杉材の表面および内部割れはほぼ克服した。」 2台の乾燥庫はフル稼働しながら、 野積み乾燥も適宣、取りいれ、 材料供給の拡大も計る。 最新の乾燥庫による乾燥の結果として、杉材の表面は黒ずみ、少し年代を経た表情を見せる。 そのかわり、木材特有の狂いや割れが激減し、強度的にも安定を得た。 住まい手とつくり手にとっての、 二つの問題を、ここまでクリヤー。 乾燥庫から引き出された後、 野積みされた木材。 さらに、ゆっくり乾燥が進み、 出荷時に再検査される。 木材は、ゆっくり時間を掛けて、 少しづつ水分を抜くことが最良だが、 天然乾燥だけでは十分には抜けきれず、 時間を掛けるといったってキリがない。 そこで、 人工乾燥と天然乾燥のドッキングとなる。 製材の過程で産み出されるチップや 杉粉を断熱ボードに加工する試みも。 乾燥庫の燃料費の高騰、 輸入木材の急激なコストアップ。 国産材シフトによる大手資本の 山の買い占めなど、 問題は尽きることはないが、 精力的で、真っ直ぐな仕事ぶりに 感銘を受けた。 杉が好きなんですね。 南信州は愛知県境から、お隣りともいえる位置にあるが、高速道路を使ってもなお、山深い。 輸送コストを気にしながら、曲がりくねった山道の帰路を急いだ。 日比
by hearthandhome
| 2008-09-04 11:04
| 家づくりへの思い
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