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南信州 遠山杉 視察

南信州 遠山杉 視察_f0059988_1018399.jpg自然の風土に鍛えられて、
太く高く生長する樹木。

その樹木相手の林業経営は、
世の中の需要供給の動きとは
まったく別に50年という年月が一単位。
50年後を見据えながらの
努力が続く。





南信州 遠山杉 視察_f0059988_10194718.jpg今、国産材利用の追い風を受けて、
南信州、遠山杉の製材工場を訪問。
小澤社長のお話。

「杉材は乾燥が難しく、10年前は、
まったく相手にされなかった。
しかし、目の前の大量の杉、品質の良い遠山杉を生かす方法を探っていた。
そこに、北海道での乾燥技術の進展を聞き、さっそく調査、研究、導入。
爾来10年に渡って乾燥方法や温度管理などの試行錯誤により、杉材の表面および内部割れはほぼ克服した。」

南信州 遠山杉 視察_f0059988_10201324.jpg2台の乾燥庫はフル稼働しながら、
野積み乾燥も適宣、取りいれ、
材料供給の拡大も計る。
最新の乾燥庫による乾燥の結果として、杉材の表面は黒ずみ、少し年代を経た表情を見せる。
そのかわり、木材特有の狂いや割れが激減し、強度的にも安定を得た。

住まい手とつくり手にとっての、
二つの問題を、ここまでクリヤー。


南信州 遠山杉 視察_f0059988_10341877.jpg
乾燥庫から引き出された後、
野積みされた木材。
さらに、ゆっくり乾燥が進み、
出荷時に再検査される。

木材は、ゆっくり時間を掛けて、
少しづつ水分を抜くことが最良だが、
天然乾燥だけでは十分には抜けきれず、
時間を掛けるといったってキリがない。
そこで、
人工乾燥と天然乾燥のドッキングとなる。





南信州 遠山杉 視察_f0059988_10203359.jpg製材の過程で産み出されるチップや
杉粉を断熱ボードに加工する試みも。

乾燥庫の燃料費の高騰、
輸入木材の急激なコストアップ。
国産材シフトによる大手資本の
山の買い占めなど、
問題は尽きることはないが、
精力的で、真っ直ぐな仕事ぶりに
感銘を受けた。
杉が好きなんですね。


南信州は愛知県境から、お隣りともいえる位置にあるが、高速道路を使ってもなお、山深い。
輸送コストを気にしながら、曲がりくねった山道の帰路を急いだ。 日比
by hearthandhome | 2008-09-04 11:04 | 家づくりへの思い


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