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カテゴリ:家づくりへの思い( 123 )

「土間」と床下空間

本格的な羽アリ発生前のこの時期に、経験豊富なシロアリ技術者、著名な岡崎の神谷さんと共に、
中古住宅の床下に潜り込み、ベタ基礎に腹ばいになって床下談義をしました。
そうそう、防塵マスクは必需品です。

暮らしの舞台である床上と、様々な生物の居る地中との間にある緩衝帯として床下を捉えています。
床下には文字通り、耐震性を司る基礎があり、土台を腐らせる湿気や腐朽菌も見え、吹き抜ける風の状態も解ります。降り込む雨や浸み込む地下水、また設備配管からの漏水などを、速やかに外部へ
排出したり、改修する役割も備えていなくてはなりません。

シロアリ被害の多くは家の中の「土間」にあり、だからこそ、1階床が組まれた理由があります。
「土間」とは、玄関・勝手口・浴室が三大場所。その周辺を見ることで、被害の実態および蟻道・蟻土を
探索し、その状況に合わせた対策を、柔軟に行うことを強調されました。
シロアリは生態系のバランスにとって、無くてはならない役割を果たしていますから、家全体に渡って、むやみに駆除するのではなく、シロアリが発生した時点で、その分だけの駆除を行うべきというのが
基本姿勢です。そのためには、住まい手あるいは技術者が、床下の隅々まで観察できる家の構造であることが肝心との結論となりました。床下に入り込める改め口の存在は、その第一条件となります。
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また、一番、解り易いのは、やはり羽アリの発見です。自然界にはシロアリ以外にも、羽のある虫は
いくらもいますから、シロアリのゴキブリのような体形は知っておいていただくといいですね。
ちなみに、羽アリ(黒いですよ)の羽は簡単に取れてしまいますので、承知しておいてください。

床下は、竣工してしまえば、ほとんど目に触れることもなく、何か問題が発生して潜り込んでみると、
施工時の手抜きや無知からくる手違いが呆れるほど見えてきます。困ったものですが・・・。
でも、これをチャンスとして、大事に至る前に適切な措置ができるようにしたいものです。

神谷さんのシロアリとの共生への思いは、5年に1回だけといった皆殺しの発想の駆除ではなく、
時折、点検をして必要に応じて、その部分だけ駆除するという、シロアリとの接し方に表れています。

また、シロアリ点検は、床下での耐震補強や床下の断熱リフォームも一緒に考えられますから、
併せて検討いただくのも良いと思います。日比
by hearthandhome | 2013-04-25 08:00 | 家づくりへの思い

1階の床構造

中古住宅のの1階床下に潜り込んでみると、先人の匠たちは、どうしてこんなに土台とか根太廻りを
スカスカにして風が通り抜けるようにしたんだろうかと考えることがあります。
下図のように、土台と床根太との間に高さの違いがあり、大きく空いています。床下と壁の中は外気が通り抜けていくようになっていて、木材の腐朽やシロアリへの対策なんでしょうか。

f0059988_19341493.jpg「夏を旨とすべし」を待つまでもなく、
寒さは精神力で克服して重ね着の工夫、火鉢やコタツにてやり過ごし、
春の到来を待つという「美学」にまで
高められていたように思います。
でも、一番の本当の理由は、湿り気を多く含んだ木材の耐久性にあり、
コストや技術の意味から、基礎の高さをなるべく低く保ちつつ、1階床を高くしたということなんだろうと思います。

四季を通じて、快適な暮らしを目指す中古住宅の省エネ・断熱リフォームでは、1階の床下のスカスカの状態を、いかにローコストで効果的に塞ぐかが、まず第一の関門と言えます。
そこで、いろいろな穴埋め材の選別と、施工方法を試してみようと思っています。 日比
by hearthandhome | 2013-02-25 20:00 | 家づくりへの思い

木製バルコニーとデッキのリフォーム

f0059988_15492853.jpg外気に晒されるバルコニーやデッキ
ですから、築10年を越えてくると、
やはり、アチコチに腐朽は進行し
危険な個所さえ目立ってきました。
子供たちの歓声は少なくなり、
使われ方も変わってもきました。
今、メンテナンスの時を迎えて、現在と今後の暮らしの有り様を思い浮かべ、
どのようなリフォームをするべきかと
話し合うのも、この頃のご夫婦の
努めなのかもしれません。


f0059988_1550294.jpgそれぞれの条件から、いろいろな
対処のお考えにお応えしてきましたし、これからも続くと思います。
適切なアドバイスができるように、
努めたいと思います。

年の瀬が押し詰まって参りました。
本年も、いろいろお世話になりました。
来年も、よろしくお願いいたします。
1月7日よりの仕事始めとなります。
良い年をお迎えください。 日比
by hearthandhome | 2012-12-31 23:26 | 家づくりへの思い

『土曜 住まい学校』 を始めます。

世の中の動きが慌ただしいこの時期だからこそ、”住む”ことを、しっかり見つめて、住まいづくりに
取り組み、少しでも、お役に立つことができればと願っています。

このたび、『土曜 住まい学校』にて、住まいづくりの全体を展望した入門編と、「夫婦ふたりの家」を
取り上げました。「夫婦ふたりの家」については、リタイヤされたご夫婦の家を対象にしていますが、
子育て世代の住まいにも十分当てはまることを、住まいづくりの体験の中から得ることができました。
また、そのことに触発されて、規格住宅 「小さな家・夫婦ふたりの家」を加えています。
どうぞ、ご参加ください。スタッフ一同
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by hearthandhome | 2012-09-21 08:00 | 家づくりへの思い

柿渋から生まれる塗料

f0059988_16135198.jpg塗料製品の営業に東京から来社いただいた社長さんに、
日本古来の定評ある柿渋への愛と、自然塗料の名のもとに
インチキな商売人の跋扈する日本の業界へのやるせない怒りを
お聞かせいただきました。
柿渋は10年ほど前に木製バルコニーの塗装をしたことがありました。特有な臭いと、ベタベタする感触を覚えています。
室内用には国産の荏胡麻油の製品を多く使っていますが、
耐候性の要求される屋外では、自然塗料王国と言われるドイツのR社やS社の製品を使っています。
同じドイツでも、O社などは、社長に掛かればボロクソ、ドイツ国内で売れない製品を日本で売っていると!
それにしても、ホルムアルデヒドやシックハウスという言葉がやたらに出てきて、建築業界は、そんなのとっくの昔に克服したと思っていましたが、「とんでもない!何も変わっていない!政府と財界が結託してごまかしているだけのこと。」とのこと。
自然素材を極力使い、OMによる換気機能の大切さを強調して住まいをつくっているわたしたちの方が、未だに少数派!?
信じられない思いでした。


様々にある建築材料も、見た目は自然素材のようであっても、クレームを恐れて樹脂分を混入しているらしいことは、知る人ぞ知る話し。塗料や接着剤、はたまた珪藻土、土壁等々までも。

住まい手の自己防衛にも限界があるのだから、わたしたちの責任は重いですね。
ところで柿渋エキスに様々な植物油を加えて塗料としての弱点を克服し、さらに豊富なカラーも実現し、
ホルムアルデヒドを吸着・中和するというパーシモンワークス。使ってみたい塗料です。日比
by hearthandhome | 2012-06-17 16:25 | 家づくりへの思い

いい家って、なんだろう?

ホームページの資料請求のご依頼から、それを契機に、フレッシュなご意見をいただくことがあります。
「夫婦ふたりの家」「小さな家」に並んで「OMソーラー」など、わたしたちが当然と思っていることに疑問を投げかけられる時など、ドキッとして考えさせられることがあります。

f0059988_18233135.jpg特に、OMソーラーについて、① 大掛かりなシステム 
② 初期費用・メンテナンス費用が・・・との指摘には、
「住む」ことの原点、「いい家って、なんだろう?」に
あらためて、思いを巡らすことになりました。
大掛かりかどうかは、何との比較?なんて言っても始まらないし、そのことは、② の費用に集約されることになるかもしれないけれど、その費用を上回る住み心地の良さや地球環境への貢献を外すわけにもいかないとは思っています。

この大きなテーマを簡単に論じるわけにはいきませんが、
本当のところ、どうなのか、電力供給や太陽熱利用の問題とも絡んできますが、まとめることが出来ればと・・・。
今後のメンテナンス費用は、いくらかかるの?という問いにも関わることで、すぐに答えが出ないかもしれないし、そんな
悠長なこと言ってる場合か?と悩ましい問題ではあります。

一つのヒントとして、この頃、よく聞かれる温熱環境の数値としての「見える化」が思い浮かびます。
ハウスメーカーの設備設置的な「スマートハウス」には、大きな抵抗がありますが、
OMスマートネットのチャレンジは、正確なシミュレーションとともに、その力になるかもしれません。

今日のところは、三年前に、わたしの考えを、もっとも的確に言い表してくださった
「植大の家」の住まい手のコメントを掲げておきたいと思います。 日比
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わたしたちの家づくりは、「いい家って、なんだろう?」という答え探しの旅でもありました。
これまで、たくさんの見学会に足を運び、いろいろな住まいを拝見させていただきました。
そんな過程のなか、最近ようやく、住まいには間取りや材質やデザインも大事だけれども、
家の中を流れる空気こそが、一番大事なのだと気が付いたのです。
夏は爽やかな風が家中を抜け、冬はじんわりと床から暖気が上がってくる。
そんな自然な空気感が、そこに居る人に安らぎを与えるのではないかと。   
                                               「植大の家 住人」
by hearthandhome | 2012-06-01 07:23 | 家づくりへの思い

つくり手としての責任。

設計という仕事は、建物に関わりを持つ人々の持つ理想と現実の狭間で、アレコレ思い惑うことの繰り返しと言っても良いかもしれません。夢や希望と、コストとのぶつかり合いという面は、特に切実です。

基本設計中のお施主様から、次のようなメールをいただきました。
(「住宅のような施設」を目指して、いくつかの提案をさせていただいているお施主様です。)f0059988_1943196.jpgf0059988_19444876.jpg







”お世話になります。今日1日ずっとずっと考えていました。
一応、決定したプランですが、なんどその長方形の設計図をみても、まったく全然ワクワクしません。
たくさんお話を聞いていただいて、スタッフの方にも考えていただいていて、お手数をおかけして本当に申し訳ないのですが、始めに提案いただいたオリジナルプランが気に入りすぎてあきらめきれません。
ぶつかってダメだったら、あきらめられるかもしれないけど、いくら予算に限りがあるからといって、
中途半端に妥協して、最初からあきらめていたら、これから20年間ずっと後悔しながら、いないといけなくなります。いろいろなプランの良いとこどりになるかもしれませんが、吹き抜けをなくすなどの調整を含めて、再プランをお願いします。私のわがままでご迷惑をおかけします。よろしくお願いします。”

現実には、いろいろな経緯や乗り越えなければならない壁がありますが、そこまで期待されていることに対して、特に、今後の20年間のくだりには、つくり手として担っている責任の重さを痛感します。
簡単に妥協しないで、チャレンジする気持ちを後押ししていただきました。ありがとうございました。日比
by hearthandhome | 2012-05-06 10:08 | 家づくりへの思い

「15坪の家」 見学(3)

f0059988_124184.jpg2階に上がる階段+LDK+2帖の和室+
ロフトへの階段+行き届いた細かな収納棚類。
そして、円形テーブルと造り付けられた家具類の
回遊動線さえも実現した、なるほどのハーモニー。

今まで見た雑誌やインターネット、さらには、
このカメラの画像では、到底、捉えきれないほどの
綿密に意図された空間が拡がっています。
仕上げ材料はもとより、窓から差し込む光や、
風の抜け方も含めて、暮らし方をきっちり捉えた空間と言っていいでしょうか。

住みやすさや住む空間の美しさは、
面積の広さとは別のもの。むしろ、適度な面積って
あるようで、小さい方が良いとも言える気がします。


f0059988_17283569.jpg思い思いに座ってみて、結果として、
思い思いに心地良さを感じているということは、設計者の意図にすっかり
ハマってしまっていて・・・。
でも、そのことに対して窮屈だとか、
もっと気ままに過ごしたいという
気持ちを軽やかに凌駕していて、
とにもかくにも気持ち良いのだから、
良しとするしかなかったのです。
住むということに果たす家具の存在の大きさを改めて感じもしました。


f0059988_1541409.jpg窓台の高さなどの寸法が、
住まい方に大きな影響を及ぼすこと、
あらためて痛感しました。

なぜ、2階LDKなのかという問いの
答えは明らかでした。
このカタチであるからこそ、どんな敷地にも、このような空間をつくることができ、1階LDKでは、この「15坪の家」の持ち味の多くが発揮できないことが
断言できてしまったのです。


一方、階段を上下することに差し支えが生じるであろう高齢者にとって、「15坪の家」の課題は、
まだまだ残されているのも確かなことです。 日比
by hearthandhome | 2012-04-14 08:10 | 家づくりへの思い

「15坪の家」 見学(2)

f0059988_9223643.jpg西外壁の開口部が微妙な低い位置で
一直線に揃えられています。
雨戸、ガラリ網戸、ガラス戸、障子などが共通の木製戸袋に引き込まれ、
外観デザインに柔らかさのアクセントを与えます。

手前が浴室、向こう側が和室。
その高さの訳が、内部から見た時、
判明してくることになります。



f0059988_9214957.jpg1階和室の西側窓は、畳に座った時のひじ掛けの高さにピッタリ。
また、畳に座った姿勢の目線から見る外部の景色は、まるで一幅の絵画を
飾った額縁のように見えます。

南側のはき出しは畳より
250ミリほど上がっていて、
そこに腰かけ、内側を向くことで、
廊下や階段とも一体空間となり、
4.5帖を、より広く見せているようです。


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和室に並んだ、西奥の浴室の西窓。

こうやって見下ろすのではなく、
湯船につかってみると、
西窓の位置の絶妙さが解りますとは、
杉野さんのお話し。 なるほど!
暮らしの気持ち良さをデザインする一端ですね。

ガラリ網戸が夏場には、気持ち良さそうですね。
ちなみに、この浴室はハーフユニットバスで、
浴槽より上の、壁・天井仕上げは
木材にても可能です。
日比
by hearthandhome | 2012-04-12 08:00 | 家づくりへの思い

「15坪の家」 見学(1)

f0059988_8191173.jpg1・2階の床面積の合計が15坪。(ロフトは別です。)
1階は7.5坪、つまり15帖の広さで、
どんな世界が拡がっているのだろうか?と
長野県東筑摩郡の杉野建築店さんのモデルハウスを
無理を言って、見学させていただきました。

伊礼智さんの設計で有名な「15坪の家」。
雑誌やITの動画で、何度も何度も見て
その上で実物をしっかり体感することで、
得られることの豊穣さを予感しつつ・・・。

こじんまりとした建物外観の美しいフォルムや
木製建具のセンス溢れるデザインに魅入りながら、
なぜ、このような敷地に建つ建物が
2階リビングなのかとの疑問を抱きつつ・・・。


f0059988_17274362.jpg木製の玄関引戸を開けると、その中に
階段下の空間を利用した半畳分の玄関土間。
「東浦町緒川の家Ⅱ」にて、
同じ構成の玄関をつくっていますが、
15坪の家では上り框のところに
長野の冬の寒さ対策としてでしょうか、
引き戸が取り付けられています。
また、玄関土間の狭さをものともせず、
天井いっぱいまでの収納が採ってあり、
小さな家であるからこそ、なおさら、
収納の大事なことを示しているようです。

小さな家の玄関は、小さくて当たり前と、
予想通りの狭さに苦笑いしつつ、
いよいよ、伊礼インテリアワールドへ突入です。日比
by hearthandhome | 2012-04-11 09:06 | 家づくりへの思い